控除対象扶養親族が、年内に結婚や就職などによって対象から外れた場合、その年分の控除対象扶養親族には該当しません。つまり、扶養控除の適用を受けられないということになります。
それでは、対象が「死亡」した場合はどうなるのでしょうか?
扶養控除の場合
所得税法第八十五条には、扶養親族等の判定の時期等について以下のように記載されています。
3 第七十九条から前条までの場合において、その者が居住者の老人控除対象配偶者若しくはその他の控除対象配偶者若しくはその他の同一生計配偶者若しくは第八十三条の二第一項(配偶者特別控除)に規定する生計を一にする配偶者又は特定扶養親族、老人扶養親族若しくはその他の控除対象扶養親族若しくはその他の扶養親族に該当するかどうかの判定は、その年十二月三十一日の現況による。ただし、その判定に係る者がその当時既に死亡している場合は、当該死亡の時の現況による。
「当該死亡の時の現況による」と書いてありますね。
つまり、死亡した時点で控除対象扶養親族の要件に該当していれば、その年の扶養控除の適用を受けられるということになります。
ひとり親控除の場合
では、ひとり親控除の場合はどうなるのでしょうか。「令和2年度税制改正等に伴う所得税基本通達等の主な改正事項について」を見てみましょう。
この「ひとり親」に該当するかどうかは、その年 12 月 31 日(年の中途で死亡した場合又は出国した場合には、その死亡又は出国した時)の現況によって判定することとされました(所法 85①)。
こちらにも「現況によって判定する」と書いてあります。年末の時点で未婚であれば、適用されるというわけです。