前回の年末調整の電子化では、電子化された後の手続きと、電子化することによるメリットを紹介しました。
今回は、電子化に向けた準備について記載します。
電子化へ向けた準備
勤務先の準備
実施方法の検討
電子化を実行するにあたっては、従業員にどの年末調整申告書作成用ソフトウェアを使用させるか、また電子化後の年末調整手続の事務手順をどうするかなどを検討しましょう。年末調整申告書データは、国税庁が提供する年調ソフトだけでなく、同様の仕組みを取り込んだ民間のソフトウェアでも作成可能なのは知っておくと良いでしょう。
従業員への周知
当たり前のことではありますが、大切なことです。電子化にあたっては、従業員に保険会社等から控除証明書等データを取得してもらうなど、事前の準備が必要になります。電子化する際は従業員へ早めに知らせましょう。使用する年末調整申告書作成用ソフトウェアや、事務手順についても周知しておく必要があります。
給与システム等の改修等
従業員が提供する年末調整申告書や控除証明書などのデータを、利用している給与システム等にインポートし、年税額等の計算を行うためのシステムの改修等を必要があれば行いましょう。令和2年分からの所得金額調整控除の額は勤務先で計算するので、それに係る改修も必要になります。
税務署への届出
年末調整申告書に記載する事項を電子データで提供してもらうためには、あらかじめ所轄税務署長に「源泉徴収に関する申告書に記載すべき事項の電磁的方法による提供の承認申請書」を提出し、承認を受ける必要があります。
従業員の準備
年末調整申告書作成用ソフトウェアの取得
控除証明書などのデータを利用して年末調整申告書データを作成するために、勤務先が指定するソフトウェアを取得しておきます。
控除証明書等データの取得(マイナポータル連携を利用しない場合)
保険会社等のホームページから、控除証明書データを取得します。