会社を退職した場合、確定拠出年金(DC、企業型DC・個人型DC(iDeCo))の積立や資産管理について次のような対応が必要になります。
1. 企業型DCの場合
退職後の対応
企業型確定拠出年金に加入している場合、退職するとそのまま積立を継続することはできません。ただし、以下の選択肢があります。
- iDeCo(個人型DC)へ移管する
- 退職後も自分で掛金を拠出しながら運用を続けたい場合、個人型確定拠出年金(iDeCo)へ資産を移管します。
- iDeCoでは新たに拠出する掛金は全額所得控除の対象となり、節税効果があります。
- 新しい勤務先の企業型DCへ移管する
- 新しい会社に企業型DCがあり、受け入れ可能な場合は、その企業型DCへ移管します。
- 国民年金基金連合会での管理(「待機資産」)
- 上記の移管手続きが行われない場合、資産は自動的に国民年金基金連合会で一時的に管理されます。
- ただし、この場合は手数料が発生し、新たな拠出や運用はできません。移管手続きを迅速に行う必要があります。
2. iDeCo(個人型DC)の場合
iDeCoに加入している場合は、退職による特別な影響はありません。ただし、以下の点を確認してください。
- 掛金の拠出状況
- 自営業や無職の場合、自分で掛金を拠出できます。
- 再就職し、企業型DCに加入する場合でも、iDeCoとの併用が可能(ただし掛金の上限あり)。
- 掛金の上限確認
- 新しい勤務先の企業型DCに加入する場合、掛金の上限が変わることがあります。
- 例えば、企業型DCとiDeCoを併用する場合、掛金上限が企業型DCの制度内容によって異なります。
退職後の注意点
- 移管手続きの期限
- 資産移管手続きは、退職後6カ月以内に行う必要があります。この期限を過ぎると、資産が国民年金基金連合会に移されるため注意が必要です。
- 運用の継続
- 退職後も運用は継続され、既に積み立てた資産はそのまま運用されます。
- 運用商品の変更(スイッチング)も可能です。
- 手数料の確認
- iDeCoへの移管や国民年金基金連合会での管理には手数料が発生します。
- 手続きが遅れるほど無駄なコストが増える可能性があるため、迅速に対応することが重要です。
まとめ
退職後の確定拠出年金の対応は、資産をどう管理するか、将来の年金受給をどう確保するかを決める重要な選択です。移管先(iDeCoまたは新しい企業型DC)を早めに決定し、適切に手続きを進めることが大切です。特に、移管手続きの期限や運用コストに注意しながら、自身のライフプランに合った選択をしましょう。